平成27年度瀬戸内海の環境保全・創造研究ワークショップ
投稿日:2017年1月11日
テーマ
瀬戸内海の低栄養化と豊かな海
テーマ | 瀬戸内海の低栄養化と豊かな海 |
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日時 | 平成27年11月30日(月) 13:30~16:45 |
会場 | 三宮研修センター |
主催 | 特定非営利活動法人瀬戸内海研究会議 |
後援 | 瀬戸内海環境保全・知事市長会議、ひょうご環境保全連絡会、公益社団法人瀬戸内海環境保全協会 |
参加者 | 82名 |
資料 | H27ワークショップ結果概要 |
趣旨
今、瀬戸内海ではノリの不作、漁獲量の低迷といった問題が生じている。漁業者の言葉を借りれば海が痩せており、「きれいな海」ではなく「豊かな海」が求められている。ノリは植物であり、栄養塩を直接吸収して生長するので、その不作原因は栄養塩濃度の低下である事は疑う余地も無い。また、水質データ解析の結果から、栄養塩濃度の低下の事実は明らかである。しかしながら、近年のイワシ類などの魚類の不漁等については、その原因が明らかではない。即ち、栄養塩濃度も漁獲量も低下していることが指摘されているが、その生物量を決定する要因として餌生物量の変化や生育環境変化などが考えられ、栄養塩濃度の低下がダイレクトに漁獲量低下に結びついているわけではない。
現在、瀬戸内海の栄養塩濃度の低下の事実は明らかで、そのために、植物プランクトン量が低下し、さらに魚類の餌となる動物プランクトン量にも何らかの影響を及ぼすことが予想はできるが、実際にそれを示すデータは揃っていない。また、豊かな海は、単に水質だけで決まるものではなく、浅場の機能回復や人工護岸への配慮等も必要である。更に、「豊かな海」とは水産業だけでなく市民にとっても、癒しあるいはレクレーションの場として活用されなければならない。
そこで、これまでに明らかになった事実と、未だ確証を得られていない現実を正しく理解するとともに、海を一番身近で観ている漁業者に発言して頂きながら、「豊かな海」実現に向けて今後どのような検討が必要なのかを議論したい。