● 趣 旨
大阪府南部の阪南市周辺では、古くから漁業と農業の両方を営む文化があり、海と陸とが「生活」で密接に関わり合っていたが、戦後の経済発展とともにこれらの関わり合いは次第に薄れていき、今では農地の多くは宅地か放棄地になり、ノリの養殖の漁業者も一家族となってしまった。本活動は、陸と海のそれぞれからの自然の恵みを受けて育つ”米”と”海苔”を自分たちで育て味わうことで、地域の生活に根ざした持続可能な環境保全のあり方を地域と一緒になって考え伝えていく事を目的とする。
● 内 容
陸と海のそれぞれからの自然の恵みを受けて育つ”米”と”海苔”を自分たちで育て味わうことで、参加者に楽しみながら海と陸とのつながりの重要性を実感してもらうとともに、地域の生活に根ざした持続可能な環境保全のあり方を地域と一緒になって考え伝えていく事を目的とし、計6回のプログラムで行った。それぞれのプログラムの内容を以下に示す。
● 実施日
- 平成26年6月14日
「みんなで田植えをしよう!!」
田植え体験
- 平成26年8月23日
「田んぼの生き物を観察しよう!!」
田んぼの生き物観察会/生き物学習会
- 平成26年10月18日
「みんなでお米を収穫しよう!!」
稲刈り体験
- 平成27年1月25日
「みんなでノリを育てよう!!」
ノリの中間摘み取り/佃煮づくり教室/生き物学習会
- 平成27年2月15日
「ノリから海苔へ。自分の海苔を作ろう!!」
ノリの摘み取り/ノリ漉き体験/海苔の学習会
- 平成27年3月1日
「収穫祭!海と陸の恵みを味わおう!!」
自分たちで育てた米と海苔でおにぎりを作って食べる。/海苔の学習会
● 実施場所
大阪府阪南市西鳥取
● 実施結果と成果
年間通して活動に参加できる方を一般公募し、参加者は43名であった。また、スタッフは各回平均20名であった。
平成27年2月15日の勉強会には、先進地での活動紹介と指導のために、大森海苔ふるさと館の五十嵐麻子氏、海辺づくり研究会の森田健二氏にお越しいただき、東京湾での海苔文化の継承やお台場での取り組みの紹介をしていただいた。
本プログラムは、大阪湾の環境における資源循環の重要性を知ってもらう他に、地産地消を促進し、地域の埋もれている食材(漁業資源)を広く知ってもらう事での地域の活力向上も目的としていることから、地元の漁業協同組合(西鳥取漁業協同組合)と連携して行った。また、4年後の自立運営を目指すために、大阪自然環境保全協会、大阪府立大学、海藻おしばくらぶ、生態系工学研究会とも連携をして行った。
(助成額:28万円)