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KJB瀬戸内基金・フィリップモリスジャパン株式会社
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活動名称
子どもたちの大好きなカメの生態を学ぶ冊子の作成 (大阪府)
団体名称
人を自然に近づける川いい会
連絡先
URL
http://happytown.orahoo.com/kawaiikai/
写真

活動の概要

● 趣 旨
 当会の調査は、水生生物全般である。中でもカメに関しては、近年数が激減している在来種を保護する目的で、多数のデータを保有。ミナミイシガメ・イシガメ・クサガメを人工ふ化させた実例もある。ミシシッピアカミミガメが増え続け、在来種の棲む場所を席巻し、最近では危険を及ぼすカミツキガメなどの問題も発生。国際生物多様性年である2010年、子どもたちにも馴染みのあるカメをクローズアップし、在来種の保護を鑑みる心を育むために冊子を作成し、環境教育活動の一環とする計画である。
● 内 容
 環境省レッドデータブック・情報不足であるスッポン、大阪府と京都府レッドデータブック・準絶滅危惧種であるミナミイシガメ、要注目のイシガメ・クサガメを中心に在来種を紹介。合わせて、天王寺動物園・芥川緑地資料館で取材したカミツキガメ・ワニガメなどを説明し、外来種問題を掘り下げた。2007・2008年に取材した明石海岸でのウミガメ保護活動、2009年に当会が大阪市・水道記念館に寄贈した大阪産ミナミイシガメ5頭など、希少な情報を写真で解説。子どもたちが見て理解できるよう、ビジュアル中心の編集を企画した。仕様はA5・20ページ・フルカラー・再生紙使用で、1000部を印刷。出来上がった冊子は、当会が実施する近畿各地での観察会、行政の環境イベントで解説・無料配布。また、冊子を学校の総合学習の教育プログラムを提供したり、カメについてのわかりやすいお話会を開催する予定。当会の会員は滋賀・京都・大阪・兵庫・新潟・東京・九州などに点在しており、30〜50代の家族単位で構成されているため、各地域の子どもを含むコミュニティに属している。そのネットワークを活かし、生物の現状と河川の将来像を最大限に伝えるだけでなく、生物多様性への理解を促す。なお、2月12日、水道記念館にて冊子の発表会を開催。館のカメをお借りして、カメの特徴を解説した。
● 実施日
平成22年6月1日
  〜平成23年3月31日→2月28日で終了
● 実施場所
取材協力先である、天王寺動物園・大阪海上保安監部・水道記念館・芥川緑地資料館の他、地域の公共施設や自然保護団体等に配布する。
※施設等での掲示、不特定多数の目に触れることを前提とする。
● 実施結果と成果
 カメの研究者・岡俊作氏に、ミナミイシガメ・ニホンイシガメの交尾・産卵・孵化の写真を借りることができ、自然下では見ることができない成長過程を紹介することが可能になった。また、泉南市で11年ぶりに孵化が確認されたウミガメの情報、大阪海上保安監部よりいただいたウミガメの絵本によって、海の情報も掲載。
 さらに、天王寺動物園の協力により、一般展示だけでなく、バックヤードを取材することができた。その結果、一般には公開されていない1970年生まれのワニガメ、ワシントン条約対象の外来種などを掲載。当会の法務担当・弁護士にも「動物の愛護および管理に関する法律」を解説してもらい、深い構成内容となった。
 2月12日、水道記念館にて第1回目の配布イベントを開催した際、小学生のいる家族を中心に「カメのことがよくわかった」「外来種の問題を考えていきたい」などの嬉しい感想をいただいた。

(助成額:20万円)

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