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瀬戸内海の環境保全 |
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昭和40年代に水質の汚濁が急速に進行して、死に瀕していた瀬戸内海に対し、地域の環境を保全するため、昭和48年に瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定され、昭和53年には赤潮等による被害に対する富栄養化対策を含む新たな施策が加えられた後継法である瀬戸内海環境保全特別措置法が制定された。これらの法律等に基づき、次に示す対策が取られている。 (1)瀬戸内海環境保全基本計画 |
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瀬戸内海環境保全基本計画の概要 |
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| 計画の性格: | 瀬戸内海の環境保全の目標を示し、国、地方公共団体及びその他の者がその目標を達成するために講ずべき施策等の基本的方向を明示するものであり、瀬戸内海の環境保全に関連する諸計画に反映させるとともに、諸施策の実施に当たって指針となるべきもの。 | ||
| 1.計画の目標 | |||
| 1)水質保全等に関する目標 水質環境基準の達成・維持、赤潮発生の機構の解明及び人為的要因を少なくすること、有害底質の除去及び悪影響の防止、藻場・干潟の保全及び回復、自然海浜等の保全。 2)自然景観の保全に関する目標 自然景観の核心的な地域の保全(国立公園、県立自然公園等として指定)、緑の保護・管理、自然海岸の保全及び回復、海面及び海岸を清浄に保持、史跡・名勝・天然記念物等の文化財の保全。 |
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| 2.目標達成のための基本的な施策 | |||
| 1)水質汚濁の防止 2)自然景観の保全 3)浅海域の保全等 4)海砂利採取に当たっての環境保全に対する配慮 5)埋立てに当たっての環境保全に対する配慮 6)廃棄物の処理施設の整備及び処分地の確保 7)健全な水循環機能の維持・回復 8)失われた良好な環境の回復 9)島しょ部の環境の保全 10)下水道等の整備の促進 11)海底及び河床の汚泥の除去等 12)水質等の監視測定 13)環境保全に関する調査研究及び技術の開発等 14)環境保全思想の普及及び住民参加の推進 15)環境教育・環境学習の推進 16)情報提供、広報の充実 17)広域的な連携の強化等 18)海外の閉鎖性海域との連携 19)国の援助措置 |
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| (2)水質保全、自然景観保全等のための施策 a 規制方策 瀬戸内海の水質保全を推進するため、水質汚濁防止法及び瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき、様々な規制措置が行われている。水質保全行政の目標として、公共用水域の水質等について達成し、維持することが好ましい基準として、COD(化学的酸素要求量)、窒素及び燐などについて環境基準が定められている。 また、工場、事業場からの排出水に対して排水基準が定められ、特定の汚染物質を河川や海域に放流することを制限している。なお、瀬戸内海においては、これらの汚水を排出する特定施設を設置する場合は、府県知事等の許可が必要である。さらに、瀬戸内海についてはCODの総量規制が実施されている。 瀬戸内海の自然景観の核心地域は、国立公園等に指定され、その優れた自然景観が失われないよう規制措置がとられている。また、島しょ部や海岸部における草木の緑は、瀬戸内海の景観を構成する重要な要素であることから、積極的に保護管理していくこととしている。 埋立てについては、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく埋立ての基本方針により、厳しく抑制されており、近年、問題となっている海砂利の採取についても、関係府県による採取禁止措置などその依存低減が図られてきている。 |
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| ○水質保全対策 (a)COD総量規制 日本の代表的な閉鎖性海域である瀬戸内海や東京湾・伊勢湾では、水質汚濁を改善するために、沿岸の河川などから流入する有機汚濁物質の量を制限する総量規制制度が設けられている。この制度では、COD(化学的酸素要求量)を指標として、工場や下水処理場などから排出される有機汚濁物質の総量について削減目標値を定め、排水規制や指導などを行っている。 その結果、瀬戸内海の沿岸で発生するCODの量は、昭和47年に1,700トン/日であったものが、平成8年には718トンまで減少している。 |
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| (b)富栄養化対策 海域における富栄養化の防止を図るため、国は、平成5年に、富栄養化の要因物質である燐及び窒素に係る環境基準及び排水基準の設定を行ったところである。 また、特に夏期に藻類の増殖が著しい瀬戸内海を含む88海域については、窒素及び燐に係る排水規制が実施されている(一律排水規準は下表参照)。窒素及び燐に係る環境基準(基準値は次頁の表参照)については、平成10年4月までに瀬戸内海の各水域の類型指定を行い、着実な対策の推進を図ってきているところである。 さらに、瀬戸内海など総量規制の対象水域については、CODの内部生産をもたらす窒素、燐の更なる削減を行うため、CODに加え、新たに窒素及び燐を総量規制の対象項目とする予定である。 |
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| 一律排水基準 | |||
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窒素含有量
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120mg/l(日間平均)
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燐含有量
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16mg/l(日間平均)
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| 備考:この表に掲げる排水基準は、一日あたりの平均的な排出水の量が50m3以上である工場又は事業 場に係る排出水について適用する。 |
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| 窒素および燐の発生負荷量の推移 | |
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窒素の発生負荷量
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燐の発生負荷量
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| 環境基準値 | |||
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項目
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利用目的の適応性
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基準値
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類型
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全窒素
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全燐
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T
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自然環境保全及びU以下の欄に掲げるもの(水産2種及び3種を除く。) |
0.2mg/l 以下
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0.02mg/l 以下
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U
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水産1種、水浴及びV以下の欄に掲げるもの(水産2種及び3種を除く。) |
0.3mg/l 以下
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0.03mg/l 以下
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V
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水産2種及びWの欄に掲げるもの(水産3種を除く。) |
0.6mg/l 以下
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0.05mg/l 以下
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W
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水産3種、工業用水及び生物生息環境保全 |
1.0mg/l 以下
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0.09mg/l 以下
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備考 1)
2) 注 1) 2) 3) |
基準値は年間平均値とする。 水域類型の指定は、海洋植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれのある海域について行うものとする。 自然環境保全:自然探勝等の環境保全. 水産1種:底生魚介類を含め多様な水産動物がバランスよくかつ安定して漁獲される 水産2種:一部の底生魚介類を除き、魚類を中心とした水産生物が多獲される 水産3種:汚濁に強い特定の水産生物が主に漁獲される 生物生息環境保全:年間を通して底生生物が生息できる限度 |
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| ○埋立ての基本方針(昭和49年5月、瀬戸内海環境保全審議会答申) (前文抜粋)瀬戸内における埋立ては厳に抑制すべきであり、やむを得ず認める場合にも以下の基本方針が運用されるべきである。 |
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方 針
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備 考
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| (1)全ての海域において、一般的配慮事項を確認すること | ○一般的配慮事項 @海域環境保全…水質汚濁による影響が軽微なこと A自然環境保全…生態系、自然景観と自然環境へ影響が軽微なこと B水産資源保全…漁業への影響が軽微なこと |
| (2)右記の地域において、埋立てを極力避けること | ○環境保全上の指定地域 @自然公園法による特別地域など A自然環境保全法による特別地区など B鳥獣保護法による特別保護区域 C史跡名勝天然記念物 ○その他、法律で指定された漁業保全上の区域 |
| (3)特定海域において、留意事項に適合しない埋立てはできるだけ避けること |
○特定海域…6海域:下図参照 水質汚濁が進んでおり、海水の滞留度が高い海域. ○留意事項 @公害防止、環境保全に資するもの A水質汚濁防止法による特定施設を設置しないもの B汚濁負荷量が小さいもの |
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特定海域
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| b 自然環境の保全区域 瀬戸内海は、わが国を代表する傑出した風景地であり、昭和9年に雲仙や霧島とともにわが国最初の国立公園として、その広範な地域が指定されている。 また、834ヵ所の鳥獣保護区の他、水産動物が産卵し、稚魚の生息等に適している水面として指定された27ヵ所の保護水面、瀬戸内海の海浜地で砂浜等の自然の状態が維持され、海水浴等に将来にわたって利用される地域として91ヵ所の自然海浜保全地区が設定されている。 |
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自然海浜の保全
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△
保護水面 ● 自然海浜保全地区
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| c 下水道整備 瀬戸内海の水質汚濁防止を図るうえで、下水道や浄化槽等の排水処理施設の整備も重要である。平成11年度においては、下水道人口は約2,200万人で処理人口普及率は61%、 浄化槽人口は約700万人となっている。 |
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人工海浜
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魚のすみか
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下水処理場
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| (3)失われた良好な環境を回復させる施策の展開 規制を中心とする保全型施策の充実だけでは、これまでの開発等に伴い既に消失した藻場、干潟をはじめとする浅海域、自然海浜等のふれあいの場、良好な景観を構成する自然海岸等の物理的・生態化学的な回復は困難である。 瀬戸内海にふさわしい多様な環境を確保するため、これらの失われた良好な環境を回復させ、積極的に環境を整備して将来の世代に継承する観点に立った施策の展開を図っていくことが必要である。 かつての環境の状況や今後望まれる環境の姿を踏まえ、藻場、干潟、海浜の造成等の環境整備のための適切な技術を活用しつつ、自然の浄化能力を引き出し、健全な水環境を回復・確保するための事業を、国や地方公共団体が先導的役割を果たしつつ、事業者、住民及び民間団体と連携した取り組みが進められている。 |
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砂の流出が激しい海浜に砂を入れて海水浴場として整備した柳井港海岸(山口県)
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| (4)幅広い連携と参加の推進 多くの人々が生活を営み、多岐にわたる利用がなされている瀬戸内海において、残された自然環境を保全し、環境への負荷を低減するとともに、失われた良好な環境の回復を図るためには、関係する人々が瀬戸内海の環境に対する理解を深め、積極的に各種施策に取り組むことが必要である。このためには、各地域相互間のみならず、国、地方公共団体、事業者、住民、研究者など各主体間や世代を超えた連携の強化が重要である。 具体的には、関係地方公共団体等を会員として設立された(社)瀬戸内海環境保全協会などが中心となって、 (a) 毎年6月を瀬戸内海環境保全月間とした普及啓発活動や環境保全活動のための人材育成研修会等の開催 (b) 地域の自然や歴史的、文化的要素なども活用した環境教育、環境学習の推進 (c) 瀬戸内海に係る多様な情報をインターネットを通じて広く提供する「せとうちネット」(瀬戸内海研究・環境等情報提供システム)の運用などを実施している。また、約270のNPO、60以上の事業者が、地方公共団体等が実施する環境保全活動の取り組みに参加したり、毎年、100万人近くの人々が瀬戸内海全域で川や海浜の美化活動を行っている。 さらに、国際的な連携を強化していく観点から、(財)国際エメックスセンターなどが中心となって、国際会議の開催や人的交流、情報交換など積極的に取り組んでいる。 |
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小学生への海辺教室
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清掃活動
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