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瀬戸内海セッションは11 月22 日(木)9:30 〜12:00 、淡路夢舞台で開催された。このセッションは「瀬戸内海の環境保全のた
め、何が行われて、何が行われなかったのか、今後何をすべきか」を明らかにするために、研究者・行政・企業・NGO がそれ
ぞれの立場から話題を提供し、総合討論を行うために、約340 名が参加して開催された。
コーディネーターを勤めた櫻井氏(瀬戸内海環境保全協会顧問)から趣旨説明の後、まず、「何が行われたか」について、
北九州市環境局の井上氏は「瀬戸内海知事市長会議は瀬戸内海環境保全特別措置法の施行などに大きな役割を果たした。洞海
湾では浚渫が湾内の環境回復に効果があった」、国土交通省近畿地方整備局の尾崎氏は「陸域からの汚濁負荷を削減するため
流域別下水道整備総合計画を策定・推進してきた」、環境省水環境部の柴垣氏は「瀬戸内海環境保全臨時・特別措置法を制定
した」、関西電力の平山氏は「排水の規制強化に対して最大限の取り組みを行い、基準をクリアした」と述べた。
次に「何が行われなかったか」について、山口県漁連の金子氏は「水質が悪化して漁獲量が減少しているのは生態系の重要
性への認識と環境教育が不足しているからだ」、環瀬戸内海会議の阿部氏は「藻場が消滅した、貝が獲れなくなったことに代
表されるように、水質ばかりではなく、生物の住みかとしての海への認識が不足していた。瀬戸内法は実効性が不足していた」、
広島県環境保健協会の薦田氏は「環境配慮運動を定着させ、継続的な環境学習を行うことが出来なかった」と述べた。
最後に「何をなすべきか」について、国土交通省近畿地方整備局の福田氏は「多様な生物生息環境・親水空間としての瀬戸
内海を創造していくため、科学研究・技術開発・環境施策実施体制を確立する」、柴垣氏は「環境保全基本計画を策定し、失
われた良好な生物生息環境を回復する」、平山氏は「環境保全と豊かな暮らしを両立させるため、関係者全員が同意出来る瀬
戸内海の将来ビジョンを示し、費用負担も含めたそれぞれの役割分担を明らかにする」、金子氏は「漁業用水を確保すると同
時に、ヘドロ処理など環境再生に取り組む」、薦田氏は「学社融合的地域環境学習を住民の主体性に基づいて行う」と述べた。
これらの発表の後、瀬戸内海研究会議の白幡氏から「高度利用の結果失った文化環境を取り戻すことが大切である」、メリ
ーランド州環境省のニシダ氏から「チェサピーク湾では、決められた水質基準を満たすため、日毎の最大負荷量を決め、すべ
ての排水源に規制をかけて、それを実行するために行政・科学者・NGO が参加する委員会を設けている」、瀬戸内海研究会議
の岡市氏から「流域を含めた瀬戸内海全域のガヴァナンス体制を知事・市長会議を軸に確立し直す必要がある」という報告が
行われた。
この後、休憩に入り、フロアーからの質問票を回収し、全体討論が行われた。科学者・行政・企業・NGO が一堂に会して、
瀬戸内海の環境保全に関して議論したこのようなシンポジウムは初めての試みであるが、今後の瀬戸内海のあるべき姿、その
実現に向けての実際的な行動計画を決めていくためには、このような議論の場を恒常的に設置する必要がある。そのような場
を設置することにより、瀬戸内海の流域も含めた全域のガヴァナンスが可能になる、という結論を得てセッションを終了した。
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