● 実施結果と成果
・今回、指導していただいた湧水の調査方法は、身近な素材を工夫して利用する事で、予算をかけずに実施することができる手法であった。また、誰にでもできる上、結果がその場で目に見えることから、啓発としても良いツールであると思われる。
・中津干潟の沿岸で湧き出している水は、@干潮時に地面に浸透した海水が満潮時の圧力で湧き出したもの、A沿岸近くの陸水が地中に浸透し、じわじわと湧き出したもの、の二つのパターンがあると推測した。これらについては、観測点を増やし、現地調査を重ねたり、採集した湧水の分析などを行う必要がある。しかしながら、沿岸の泥質干潟が健全な状態を保ち、カブトガニをはじめとする底生生物が多数生息する環境であることの要因の一つとして、湧水による酸素の提供が関与していることは明らかになったのではないかと考える。
・背後地の水田や松林、砂浜や湿地などもまた、水の涵養や干潟面への酸素やその他の物質の提供という意味で重要な場所であることが推測された。
(助成額:19.4万円)