● 実施結果と成果
海底ごみの回収活動は漁業者の協力を得て、漁船から底曳き網を海底に入れて、ごみを回収して船上で分別まで取り組んだ。回収したごみの大部分は生活から排出されたごみであり、石油製品の不燃ごみである。電化製品などの大型ごみを引き上げることもあるが、ビニールやプラスチックの割合が高かった。1回の作業では10kg〜20kgのごみを回収した。
啓発活動では、メディア・学術活動などを中心に取り組んだ。テレビ・ラジオへの出演、新聞・雑誌への掲載による情報発信は効果的であった。また、日本水産学会や中学生・高校生の全国集会などでのプレゼンは同世代への問題提起となった。さらに、スウェーデンとトルコで開催された国際会議へ参加する機会に恵まれ、国際社会へ向けても海底ごみ問題を訴え掛けた。これらの活動により海底ごみの認知度は大きく上昇した。反面、アンケート調査から海底ごみ問題が認知に留まり、解決に向けて住民の行動に至っていない事実が明確となった。そこで、「海底ごみ見える化プロジェクト」に取り組み、海底ごみと人との距離を縮めることを試みた。プロジェクトでは、海底ごみの発生地域、移動経路、堆積場所を明確にすることで、効果的な回収活動と啓発活動を実現し、住民の意識の向上と行動の変化を促した。
(助成額:23万円)